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東京魔人學園SS 妖怪ハンターシリーズ10 作;雪乃丞

狸達の歌






 その少年は、薄汚れた格好を気にする風でもなく部屋に入ってきた。

「御苦労だった。 どうだね? 彼は使い物になりそうかね?」
「そうですね・・・彼が狂気をうまくコントロールできれば最強のハンターになれるでしょうね」
「狂気?」
「ええ。 彼の魔物に対する憎しみは並大抵のものではありませんね。 見ていて気分が悪くなりましたよ」
「ほう。 キミの言葉とは思えんな」
「だが、その狂気は彼の人並外れた精神力の元になっているようです。
状況判断力などまだまだ素人同然ですが、あれは鍛え甲斐がありますよ。 久々の有望株ですね」

 そういうと、その人物は薄く笑った。 その少年は、輸送機の中で来須に語りかけてきた少年だった。
しかし、その姿は輸送機の中いにいた恐怖に震える少年などではなかった。
その少年は、傲慢なまでの自信とプライドを身にまとっていた。

「キミの部下には申し訳無いことになったね」
「いえ。 あの役立たずどもを始末できたのは嬉しい限りですよ」
「役立たず・・・かね?」
「はい。 本物のジャッカルがあんな雑魚相手に失態を犯すとでも?」

 心外だとでもいうような言葉に、彼の上司は冷汗をかきながら言葉を返す。

「い、いや・・・これは失言だったな。 今後も彼のサポートをよろしく頼むよ」
「お任せ下さい。 私も彼の今後の活躍を見てみたくなりましたよ」

 その少年は歴代最年少の傭兵部隊ジャッカルの隊長であった。
今回の彼の任務は訓練でない実戦におけるハンター来須の性能チェックだったのだ。
来須が悪魔をなぶって喜んでいる頃。
彼と数人の部下はゾンビーを生贄に悪魔を召還した黒幕を始末していたのだ。
 そういう意味では、彼らの戦闘力はハンターすらも凌駕しているのかもしれない。
知らぬは来須ただ一人のみ。 えてして組織とはそういったものなのかも知れない。

 この事件から数年後。
来須は、組織の若き大幹部となった彼の専属の部下になる事になるのだが、それはまだ先の話しである。



<終わり>