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その少年は、薄汚れた格好を気にする風でもなく部屋に入ってきた。 「御苦労だった。 どうだね? 彼は使い物になりそうかね?」 「そうですね・・・彼が狂気をうまくコントロールできれば最強のハンターになれるでしょうね」 「狂気?」 「ええ。 彼の魔物に対する憎しみは並大抵のものではありませんね。 見ていて気分が悪くなりましたよ」 「ほう。 キミの言葉とは思えんな」 「だが、その狂気は彼の人並外れた精神力の元になっているようです。 状況判断力などまだまだ素人同然ですが、あれは鍛え甲斐がありますよ。 久々の有望株ですね」 そういうと、その人物は薄く笑った。 その少年は、輸送機の中で来須に語りかけてきた少年だった。 しかし、その姿は輸送機の中いにいた恐怖に震える少年などではなかった。 その少年は、傲慢なまでの自信とプライドを身にまとっていた。 「キミの部下には申し訳無いことになったね」 「いえ。 あの役立たずどもを始末できたのは嬉しい限りですよ」 「役立たず・・・かね?」 「はい。 本物のジャッカルがあんな雑魚相手に失態を犯すとでも?」 心外だとでもいうような言葉に、彼の上司は冷汗をかきながら言葉を返す。 「い、いや・・・これは失言だったな。 今後も彼のサポートをよろしく頼むよ」 「お任せ下さい。 私も彼の今後の活躍を見てみたくなりましたよ」 その少年は歴代最年少の傭兵部隊ジャッカルの隊長であった。 今回の彼の任務は訓練でない実戦におけるハンター来須の性能チェックだったのだ。 来須が悪魔をなぶって喜んでいる頃。 彼と数人の部下はゾンビーを生贄に悪魔を召還した黒幕を始末していたのだ。 そういう意味では、彼らの戦闘力はハンターすらも凌駕しているのかもしれない。 知らぬは来須ただ一人のみ。 えてして組織とはそういったものなのかも知れない。 この事件から数年後。 来須は、組織の若き大幹部となった彼の専属の部下になる事になるのだが、それはまだ先の話しである。 <終わり> |